2012/07/08

7月8日 村上

村上です。今日は日曜日です。
午前中は、制作お休みの時間にしようということで、×日町のメンバー6人で大林宣彦監督が新潟県の長岡を舞台にして撮った映画「この空の花」を、長岡の映画館まで行って観てきました。

長岡の花火大会が観光誘致のためではなくて、長岡空襲の慰霊のためのイベントだということ("全ての爆弾を花火に換える"というコンセプトがある)と、(毎年曜日の関係なく8月2、3日に行われる。)東日本大震災が起こったことを受けて、事実にもとづきながら、長岡を訪れた女性記者の目線で脚本が作られていました。

3時間近くある映画で、全体の感想としては、すさまじい台詞の洪水と大量のテロップ。映像が過去を飛びまくって、違う時代の人物や物語が、何の前置きも無しにどんどん挿入されてくる映像。監督の、映像に対する情熱。ものすごかったです。

「まだ戦争には間に合いますか」という台詞が印象的でした。
まだ戦争には間に合いますか という言葉には、”まだ戦争は続いていることに気がつきました。今からでも参加できますか?”という読み方と"いまからでも戦争を起こすことはできますか?"という読み方ができると思います。

日本は敗戦国であって、敗戦後、戦勝国の真似事を理由も無く続けてきた。と、映像の中で言われていました。
原子力発電所や、資本主義や、もっというと個人主義という考え方や、美術と呼ばれているものも、戦勝国からの借り物でしかない、という"気持ち悪い感じ"は僕の中にもずっとありました。

戦争に勝った国が"正義"であって、戦争に勝った国が"平和"になれるのだと思うと、戦争に負けてしまったから原発事故が起こったのかもしれない、と考えてしまいました。

しかし、僕は日本人として生まれて来てしまいました。
怒りとも、悲しみともつかない、強くやるせないような、複雑な気持ちになりました。
僕はビルヴィオラや、デミアンハーストが作る作品をかっこいいと思ってしまいます。でも、自分は敗戦国の日本人であり、"美術"は戦勝国からのコピーでしかないのかもしれない、とも思います。これを考えはじめると、とても苦しいです。なぜ日本人なんかに生まれてきてしまったんだ、とも思います。
今の僕の薄皮一枚の下に、僕が本当はそうあるべきだった、別の姿が隠れているのかもしれません。
この映画をみて、
『戦争には負けてしまったけど、まだ戦争は続いていて、まだ、僕の薄皮一枚の下へと向かう戦争には、まだ間に合うのだ』と、そう考えることにしました。


映画を観た後、マクドナルドでお昼ご飯を食べました。フライドポテトも食べました。長岡のマクドナルドのフライドポテトです。
かつてジャガイモは、長岡の供出品だったそうです。供出とは、戦争のために、国民が貴金属などの大切なものを差し出すことです。水害で畑の野菜がほとんどダメになってしまったときでも、ジャガイモは取れて、それを「お国のために」と喜んで供出したそうです。そんな長岡のマックのフライドポテトを食べました。
長岡のマックは、日曜日のお昼ということもあって、とてもたくさんの人が居ました。注文するのに5分くらい並びました。たぶん、多くの人はフライドポテトを食べたと思います。長岡のマックのフライドポテトは、東京のそれと味は変わりませんでした。だからなんだという感じですが。。


さて、今日の午後は、
僕の家にカーテンをつけました。


「×日町」では、人が集団で移住するという問題を主題としています。
×日町のメンバーは、もともと気の知れた仲間なので、阿部君がウェブ上に上げる映像を見ていて"修学旅行に来た学生"のような印象を受ける人も多いと思います。不愉快に感じる人もいると思います。まったく、いまの映像を見るかぎりでは"元気がない""だるそう"な人達に見えます。
"お互いにある程度知っている仲"で、このプロジェクトを行おう、ということは最初から考えていました。なぜなら"集団" 対 "集団" in"地域" のような構図をつくろうとしたからです。いまは、"制作期間"なので、6人まとまって動かざるを得ないので、6人のメンバーが"個人"というよりも"集団"として見えてしまいがちですが、これから、6軒の家が立ち上がって、それぞれが自分のスペースを持って、自分の時間で動くようになってくると、どんどん状況が変わっていくと思います。みなさんどうか長い目で見守ってください。。。


↓ ×日町周辺の景色ギャラリー




小山君の家が見えます







7月8日阿部

7月6日の映像です。http://www.youtube.com/watch?v=co2hcTBxNHA

07/08

たまには休日らしいこともしてみようと、午前中の作業を中断して
劇映画「この空の花」を観てきました。


僕の感想は
「これでもかってくらいの“伝えたい事”が駆け抜けてった3時間弱。
って感じです。
(映画を観たことに対してと言うよりかは、この作品の上映時間内で体感した事の感想って感じです。よくわかんないけど。)

少しだけ映画の内容にふれますが、
【長岡の花火は観光向けでやってるわけではなく、希望や祈りの象徴】
というような事が知れてよかったです。
今夏は長岡の花火を見に行こうと思っていたので、このタイミングで長岡の歴史や人々の思いなどを伝えてもらったことが幸運。

なにもそれを知ったからといって、
それらの事に思いを馳せながら花火を眺めよう!
なんて事はおこがましいし少し違う気もするので、あくまでもヨソモノとして花火を見に行こうと思ってますが。


劇中に出てきた市民達は、その土地で生きていく中で起こる様々なことに真正面から向き合います。
出合ってしまった事件、知ってしまった事実、に対して正面から向き合う。
当たり前の様にそうしますし、みんなが土地に対して誠実です。

その辺りの内容は、現実と重なった部分でもありました。


今、僕らの周りにいる十日町の大人達
(羽鳥施設長や川田さん遠田さん、村山興行の社長さん、僕らとさほど年の変わらない海野さん)
から、この町に“向き合っている感”みたいなのを感じる時があります。多々あります。(かなり曖昧な言葉でうまく言い表せていないのですが、今のところ“土地に対して誠実”って言葉が近いです。)


それは以前、女木島でプロポーザルをおこなった時に感じた気持ちにも似ています(少し違うんだけど)


もう少し一人の時間ができたら、また考えてみようと思います。




今日はGINGA君です。




 この日のGINGA君は
「小さいキャンバスに長い筆で描いたら新しい世界がひらけるかも。」
「絵はフリーダムなんで。」
「コメリは刷毛が安い。」
と言っていました


0708@room



7/8 明後日新聞

今日は松代のあざみ平から友達が顔出しにきてくれました。
大地の芸術祭の日比野克彦氏のプロジェクト『明後日新聞社』の明後日新聞をいただきました。
記者の方から、まほろばの里でも読んでもらえるとうれしい、とのことで、ちょっとだけここにもおいてもらうことになりました。
面白かったら定期購読していただけるかな...。

あざみ平もおもしろいとこなので、いろいろ楽しいことできたらいいなと思っています。


さて、肝心の住まいですが、だいぶ完成してきました。
かなり見切り発車で建てた家なので、突っ込みどころ満載だけど、愛着は持てそうです。

壁と床は廃材利用です。ムラカミの家は施設の横に引っ越しました。
室内は暗室と寝床がある簡素な家です。
明日は床掃除と乾燥、コーティングなどなど。

島田、アベの家作りも始まるので、そちらも要チェック!

軽トラックカメラの現像システム思案中...。
ライカのカメラほしいなと物欲湧き中。
薬品保存用に牛乳瓶注文しないとな。

オヤスミーーーーーーーッ!

7/7


今日の十日町は大雨でした。
午前中は、みんなで作業をしたけど、午後からは次の家を建てるため島田とアベはスタディ時間、ハッシーと僕で二人で作業をしました。ムラカミと銀河は晴れ待ちだそうです。
ただただびしょびしょで萎えたけど、だいぶ進んだ。

日中は特に何もない日だった。
ハッシーはお昼寝の重要性を説いていた。

そして夜は妻有工房かわきたの遠田社長に宴を催していただきました。


宴で地元の方の期待もひしひしと感じたので、ちょっと気が引き締まりました。

お世話になってばっかりなので、そろそろ僕らもなにかおかえしができればなぁと思っています。

七月七日


昨日に引き続き、天候に恵まれず家を建てるとしてはなかなか厳しい日となりました。
村上家は今日でほとんどが完成となったと、村上本人は言っていました。大船渡に彼と同行した際に見た彼の作風と作品を作り上げるまでの過程からもわかるように、村上家はこれから色々な要素が足されていって徐々に完成していくようです。
正直申しまして、手伝っていたものとしての客観的な意見としては今の状態では雨が降った時の雨漏りは酷そうですし見かけもかなり貧相なのですが、それでも人々を寄せ付けてしまう所まで持っていけてしまう、人によってはただのはりぼての家に見えそうなものが
彼の手にかかるとコミュニケーションの場に変わってしまうのは彼の作品のとても魅力的な一面だと思います。