今日は、トメさんという入居者の方の100歳の誕生日でした。
職員の藤木さんからお誕生日のプレゼントカードをつくってほしいという依頼があったので。出張でトメさんのところまで描きにいきました。
トメさんは耳はとっても遠いのですが、話はちゃんとできて、笑顔が素敵なおばあちゃんです。
島田君も誘ってみました。これは島田君の絵です。
これ描いた。トメさんはよく両手を合わせます。
これをもらったトメさんは「ありがとう」と言ってくれました。
トメさんのその「ありがとう」という言葉は、とても丁寧で、そして精一杯の気持ちのこもったもので、なんども言ってくれるので聞いているうちになんだか涙が出てきそうになりました。
100年前の今日、1912年(大正元年!)に生まれたトメさんです。100年間で何回「ありがとう」と言えば、あんなに素敵な「ありがとう」という言葉が出てくるのだろうか。
何のひねりも無いし、ひたすら良いだけの感想ですが、本当にそう思いました。
「ありがとう」っていう言葉だけで泣きそうになったんだよ。すごいなあ。
きねんさつえい。職員の林さんがこのとき、トメさんにお化粧を施していました。
さて昼過ぎごろ、東京からお客さんがきてくれました。
手賀ちゃんと鴨下さん
以前に共同アトリエ「空鼠」の貸しギャラリーを使ってくれてから仲良くなった人たちです。美術大学生です。
夕方、25日のお祭りで行われる「民謡ながし」というイベントにでるため、職員さんたちが踊りの練習をしていました。
手賀ちゃんと鴨下さんも一緒に入ってみました。「十日町小唄」と「深雪甚句」を覚えました。
また、8月16~17日に村上さんの家があったところで描いたスケッチや絵、写真を、その場所に展示しました。
こういう感じです。右側のパネルを新しくぶらさげました。
みんな、足を止めて見てくれています。嬉しい。
☆☆☆☆☆
今日、手賀ちゃんたちと話していた時に、今回の僕の作品についての話をしました。
たぶん「まほろばの里」に限らず、こういう福祉施設は、毎日がほとんど同じ繰り返しで、まるで時間が経過するのを待っているような、もっというと「死ぬのを待ってるような」ところだと思います。
今日は昨日と同じで、明日も今日と同じだと、そう感じてしまう場所です。でも、それってつまらないし、そんなことを続けていたら頭が考える事をやめてしまって、むしろどんどんボケてしまいそうです。
しかし、ここの職員さんたちはここに入居している人達のことを「利用者」や「お客さん」という言葉で呼びます。だからここでは「毎日の生活をこなしていくこと」が「行うべき仕事」なのだと思います。だから、ここの入居者が「昨日と今日、明日を同じように過ごせること」が、むしろ大切な役割とも言えます。
ものすごいジレンマを抱えています。
ながく滞在してると、こちらもそのリズムにのまれそうになります。それに気をつけつつ、ここで部外者のぼくの関わり方として大事なのは「リズムを乱す」とか「新しいパターンをねじこむ」ようなこと。そして「移動しつづけること」だと思いました。
昨日と今日は違うものだし、「明日は何がおこるだろう」って思えるようなこと。そういうことを表現していきたいと思いました。
村上
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